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ライブハウスやコンサートホールといった場所には、音響バランスを整えるPAがいます。原田こうたさんは舞台PAとして、演奏するミュージシャンの力を余すことなく引き出すことを、この15年間生業とし続けています。そこで、今回はフリーランスとして腕一本で活躍する彼について、詳しくご紹介しましょう。

PA一筋15年の匠
原田こうたさんは、専門学校で音響技術について学び、その後はライブハウスのPAとして活動を開始しました。初めのうち、東京都内の小さなライブハウスでアルバイトをしていたそうです。そのとき、出演する学生バンドのサウンドチェックをしながら、「どのようにすれば彼らの魅力を引き出せるのだろうか」と悩んだ結果、「誰が演奏していてもよい音楽に聴かせようと思った」と述べています。
ライブハウスPAとして、原田こうたさんは活躍のフィールドを広げ、次第に大きなライブハウスで活動するようになりました。最終的には、1,000人規模のライブハウスの専属PAとなり、フリーランスとして独立することに。現在のように、さまざまなライブハウスやコンサートホールで声を掛けられ、音響を演出する人になったのです。

アーティストのことを120%考えた音作りが哲学
理想のサウンド像について、原田こうたさんは「ただ音圧を出すだけでなく、アーティストの主張したい音を出す」という哲学を持っているようです。ライブハウスのPAのなかには、とにかく迫力を出すために、低音を出して音圧を稼ごうとする人も少なくありません。しかし、本質的にはアーティストのサウンドを出すことが何よりも大切なのです。
現場へ行く際、原田こうたさんは自分が担当するアーティストのCDを、とにかく1週間以上聴き込むことにこだわっています。また、資料がたくさんあるような人であれば、その資料も読み込んでいるそうです。これらの行動に対して、「アーティストの力を120%引き出す準備として、プロの仕事をするために必要最低限の支度だ」と、原田こうたさんは述べています。単純にマイクから音を拾うだけでなく、演奏する人たちの個性を引き出す、クリエイティブな仕事なのです。

音楽や舞台の主役はあくまでもアーティスト。しかし、その裏にはクリエイティブかつ、プロフェッショナルなPAが存在しています。劇場のサウンドを作り、アーティストとオーディエンスの満足を高める影の立役者として、原田こうたさんは今日も最高の音を作りを続けているのです。

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